オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

機械翻訳とチャットGPT

いつもお読みいただき、ありがとうございます。ウィークエンドを迎えてほっとしている宇佐和通です。約30年前にフリーランスになって以来、さまざまな道具がさまざまに変わりました。ワープロ専用機がコンピューターに変わり、厚さ15センチくらいあったランダムハウス英和辞典が計算機くらいの大きさになり、今は英和・和英・英英辞典がオンラインで使えるようになりました。

 

その後さらに進化が進んで、今では音声データ書き起こしアプリとか、機械翻訳サービスが無料で使えるようになっています。正直言って一部の機械翻訳はぎこちなくてかなり手を加えなければならないのが事実ですが、精度が高くて文章の流れも本当に自然なサービスもあります。翻訳に限って言えば、最終的には手を加える部分も残るのですが、試訳的な部分の時間はかなり節約できるようになりました。

 

文章を書くということは機械よりも人間のほうが上手だと今も思っているのですが、ちょっと状況が変わりつつあります。チャットGPTをためしに使ってみたところ、すごい性能であることがわかりました。レポートでも卒論はもちろん、ちょっとした小説でもプロットくらいなら完璧にこなせると思います。

 

少し前に学生のコピペを検知するソフトが使われていましたが、チャットGPTを使えばある程度のオリジナリティも保証されます。まったく同じお題を与える人の数がどれだけいるかという問題だけです。ロジックの流れも言葉遣いも構成も見事。うらやましくなるくらいの仕事ぶりです。

 

で、考えました。人間が勝てるとしたら、どんなことなのか。それは、ひらめきだけだと思うんです。何千種類という文献を並列的に見比べて、最大公約数的なところを抽出するのは得意かもしれませんが、それを読んでいる過程でまったく別種類のひらめきが生まれるというのは、AIには起きにくいと思えるのです。たとえば、キツネに関するたくさんの文献を読んでいる時にお腹が空いて、おいなりさんが食べたくなるような思考の流れです。

 

これからの時代はネット環境も6Gになるし、今使っているソフトもさらに進化していくでしょう。本末転倒に感じられる部分もあるのですが、新しいテクノロジーを難なく使いこなしていくというスキルが、フリーランスとして生き残る第一条件のような気がしています。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。