オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

例えツッコミ、的な

低気圧の到来と共に前頭葉が重くて仕方がない宇佐和通です。

 

フットボールアワーの後藤さんとか麒麟の川島さんとか、例えツッコミが本当にうまいなあと思って、聞きほれてしまいます。文章を書いていて、比喩的な表現をする時があります。これって、ちょっと例えツッコミに似ていると思うのです。

 

「目からうろこ」という言い方がありますが、響きとしてはこの言葉がギリギリなところだと思っています。「蜘蛛の子を散らす」という言い方は使いません。自分で蜘蛛の子が散るところを見たことがないからです。それぞれの時代においてしっくりくる比喩表現というのも変わり続けるはずです。最近は、そのあたりを特に意識するようにしています。

 

少し前、年配の方とお話をさせていただいている時に「そりゃあ、六日のあやめだね」とおっしゃいました。意味がわからなかったので、あいまいなほほえみを浮かべながらその場をなんとかしのぎ、後で調べたら「時機を逃して役に立たないもの」という意味であることがわかりました。今年60歳で、職業柄さまざまな表現を知っていていいはずの僕は、自分が恥ずかしくなりました。でもこれは、はっきり言って実用的な表現とはほど遠いと思うのです。

 

いや、こう言います。同世代の人間ならシェアできる概念があるでしょう。僕の中では、「六日のあやめ」という表現はその代表格的な位置づけなのです。だから最近は、すゑひろがりずさんの現代語古語変換(カントリーマァム➡故郷の母)の逆バージョンみたいな、例えツッコミ的な響きの表現を考えています。

「六日のあやめ」は「11月1日の仮装」

「目からうろこ」は「度数ぴったりのコンタクトつけたみたいに」

「蜘蛛の子を散らす」は「逆回転のウォールオブデス」

なんてどうでしょうか。鋭い例えツッコミ的表現を生み出して、ビジュアル感あふれる文章を綴っていきたいと思います。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございます。次のアップでお会いしましょう。