オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

声について考えてみた

YouTubeライブ配信では噛みグセが治らないものの、自分の声の響きにはそこそこ満足している宇佐和通です。

 

デビューした頃から大好きだったのに、なかなか来日公演をしてくれなかったワンリパブリックのコンサートに初めて行けたのは2017年でした。このバンドの第一の特徴は、特に日本人ウケするメロディーラインだと思います。それに、ボーカリストのライアン・テダーの声が独特の響きが実に魅力的なのです。

 

そのライアン・テダーに関するさまざまな記事を読んでいると、“スモーキーな声”という表現がちょいちょい出てきます。どういう意味なのか。あちこち調べてみると、面白いことがわかりました。

 

スモーキーな声というのは、一般的にいって、タバコを長年吸い続けた人の声を意味するようだ。煙っぽいというだけに? 言い方を変えるなら、深みがあって低く、ややかすれている。そんな響きの声です。ただ、ライアン・テダーの声は高音域の伸びもいいのです。深みは感じますが、特に低いとは思えません。男性ボーカルの歌声としては、むしろ高い方に属すると思います。

 

応用言語学者のルードス・トラメル博士は、スモーキーな声というものを次のように定義します。「ジャンルとしてはジャズやブルース、曲調としてはバラードの失恋や片思いの歌を得意とするシンガーに共通する声色で、甘く流れるような低めの女性ボーカルが特徴。かすれて聞こえる部分があることもひとつの要因である。代表例を挙げるなら、ビリー・ホリデー」

 

ライアン・テダーの声にも“かすれ”を感じ取る人も少なくないでしょう。歌声が割れるとか聞きにくくなるという意味では決してなくて、意図的にエフェクトをかけているように聞こえる瞬間もあります。ごく簡単な言葉を使うなら、“ハスキー”という言い方も当たっているでしょう。

 

イギリスのユニバーシティ・カレッジ・オブ・ロンドン(UCL)の研究グループによれば、女性が最も惹かれるのは深いハスキーボイスの男性だということです。検証を率いたイー・ルー博士は次のように語っています。「女性は、自分が脅威を感じない程度に体が大きく、かすれ気味の声をした男性に強く惹かれるようです。今回の検証の前段階として行った実験では、人間は魅力ある異性を射止めるために、男女の差なく無意識に声を低める傾向にあることがわかっています」

 

誰かと会話している時は、もちろん話題選びや話し方も大切でしょう。でも、最も意識すべきは、相手に向ける自分の声そのものの響きかもしれません。理論武装したりトレンドに精通したりよりも、まずは自分の声のハスキー化を考得ようと思っています。ボイストレーニングとかで、ハスキーになれませんかね。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。