オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

コラムと漫才

すっかり春っぽいお天気に心躍る宇佐和通です。

 

まったく書けないというわけではありませんが、僕は、どちらかというと長い文章が苦手かもしれません。翻訳に関しては書き手が綴った言葉を、「どのように書いてあるか」に意識を集中させながら訳していけばいいのですが、自分の文章となると構成が必要になります。

 

単行本企画は章立てから見出し、小見出し、項目という風に階層的に細分化した設計図を作り、流れとざっくりした文字数を決めてから書き始めます。でも、書いている途中で新しい資料や面白い資料が見つかると盛り込んでいくので、結局はかなり膨らんでしまいます。そこで今度はカットの作業が必要になり、推敲のための時間がかかります。書くだけ書いてそぎ落としていくというやり方が、性格的にも時間の有効活用の面でもしっくりきます。

 

一番書きやすいのは、1800~2000字くらいの文章です。これくらいの文字数だと、マクラから始まってメインテーマにつなげて、あらかじめ決めておいたポイントにふれて、オチをつけるという流れを無理なく思い浮かべることができます。締まった感じが出るので、伏線回収的なものも意識します。

 

こう考えると、コラムの構成って漫才に似ていると思うのです。それに気がついて、好きなコンビの漫才の流れをまねしてみたら、なんかとてもいい感じに書けました。この方法は、僕が得意な2000字前後の文章に一番合っている気がします。

 

こういう書き方は、5分くらいの分量がだいたい1500字くらいに収まるYouTubeライブ配信の台本にも当てはまると思います。ひょっとして、自分なりの文章のスタイルっていうのはこういうプロセスを経て固まっていくのかな、なんて思い始めたのはここ数年くらいです。そうなってから、編集さんの赤字もちょっと減った気がします。これを実感して、自分なりの打感を得るには、とにかく書き続けることが不可欠でした。継続は力なりということなんでしょう。

 

今日もここまで読んでいただいてありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。