オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

ほんとうにあった都市伝説?

いつもお読みいただき、ありがとうございます。子どもの頃から日曜日の夜が大嫌いな宇佐和通です。先日アップした都市伝説関連のトピックに紐づける形で、ちょっとしたお話を。

 

みなさん、この事件をご存知でしょうか。

news.yahoo.co.jp

娘さんと一緒に買い物に来ていたお母さんがほんの一瞬目を放した隙に、娘さんがさらわれ、どこかで髪の毛を切られて連れ去られそうになったという話です。長く伸ばしていた髪がばっさり切られていたので、お母さんは自分の娘であることがわからなかったそうです。

 

この話を聞いて、80年代半ばに生まれた都市伝説的な話を思い出しました。スーパーとかデパートで小さな女の子がさらわれ、トイレに連れ込まれて洋服を着替えさせられ、髪の毛を短くしたり、スプレーで髪色を変えたりして別人に見えるようにして連れて行ってしまうという話です。90年代に入った頃から、全く同じシチュエーションとストーリーで進む話が日本でも流行していました。当時の僕は大都市の街頭調査で都市伝説的な話を集めていて、同じストーリーの異なるバージョンがいくつもあることを確認していました。

 

何年か前から、「ほんとうにあった都市伝説」という表現がテレビ欄とかウェブサイトの見出しに多くなりました。都市伝説というのは本当に起きていないから年伝説なんだ、というスタンスで何冊か本を書いていた僕は、ちょっと方向性が違うなと思いながらこのトレンドを見ていました。でも、こういう事件が起きてしまう以上、ほんとうにあった都市伝説という言い方も表現として成立することを認めざるを得ません。

 

一歩踏み込んで考えると、年伝説的な話からヒントを得てそれを実行するコピーキャット的な犯罪が起きる可能性もあると思うのです。罪を犯す理由や目的はさまざまでしょうが、そのプロセスが「どこかで聞いた話」にすごく近くなるか、あるいは完全に一致するということがあるのかもしれません。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。