オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

脳って本当に10%しか使ってないの?

GWロスが思いのほか軽く、朝からわりとサクサク作業ができている宇佐和通です。

 

人間って、脳のフルのキャパの10パーセントしか使ってないんだよ。そんな話を聞いたことがあると思います。僕はこれまで生きてきて何十回となく耳にしました。ただ、これってほのかに都市伝説っぽい話のようなのです。

 

『サイエンス・フォーカス』という科学雑誌に掲載された記事によれば、これはナンセンスであるということです。記事を書いたのは、ディーン・バーネットさんという神経科学者。脳の90パーセントが眠っている状況なのだから、霊能力とか異常なレベルの記憶力とか、そういった超人的な能力が実現できても不思議じゃないよね、という文脈で語られることが多いニセ科学的な考え方だというのです。

 

この話の源は、今となってはよくわからないそうです。しかし19世紀にはすでに存在していて、まことしやかに、なかば事実として広く語られていたといいます。もちろん、今の脳科学は当時と比べてはるかに進化しています。

 

バーネット氏によれば、脳はどの部位であってもまったく働いていない—つまり、これまで言われているように休眠状態になっている—ことなどありえないということです。もちろん、脳の構造と各部位の働きのすべてが明らかになっているわけではありませんが、休んでいる部分はないというのが最新脳科学における事実であるといえます。

 

しかし、普通の人間は全ての部位を同時に動かすことはできないようです。一部が働いている時に他の部位は動いてないという状況は起きるようで、これが10パーセントという言葉で形容されていた可能性はあります。逆に言えば、脳がフル活用できていなければ人間はここまで進化しなかったということです。

 

ということで、人間はほぼ100パーセントの”脳力”を駆使しながら毎日を過ごしていると考えるほうが現代科学の枠組みに合致しているということです。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。