オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

分かりやすい訳文って…?

今日もよく眠って素晴らしい目覚めで1日を始めた宇佐和通です。

 

さて、現在かなり特徴がある翻訳書に取り組んでいます。歴史書という形容が正しいかもしれません。ひたすら史実を追いかけていくスタイルの書き口なので、ストレートといえばストレートなんですが、書き方の癖が学術調というか文章の構造が論文調というか、そういう本です。

 

こうした本を訳すときには文法を数式のように当てはめてひとつひとつ訳していき、すべての意味が出そろったところで読みやすい流れにするという作業になるのですが、読みやすく分かりやすい訳文というものには絶対的な定義がないので、いつも悩みます。

 

ごくごく簡単な例を挙げるなら、英語の状態だとかなり長いー原文で数行レベルー文章を途中で区切って複数の日本語の文章で表すということが考えられるのですが、これをあまりやりすぎると、かえって接続詞が邪魔になります。かといって長いまま流してしまうと句読点が多すぎて、どの形容詞がどの名詞にかかっているのかみたいな関係性がカオスになってしまいます。

 

よって、よきところで切ったり、長めに流したりするわけですが、それでも読みにくいと感じる人はいるに違いないんです。そこで編集担当さんとのご相談ということになります。僕がお世話になっている編集さんはみんな優秀で、いつも助けられています。

 

書き口にひっぱられるのも善し悪しですが、できるだけ原文のトーンのままで訳文にすることを心がけています。だから、どんなタイトルでも最初に十分読み込んでから訳し始めます。口癖というか、書き癖みたいなものもあるので。

 

今取り組んでいるタイトルは長めなので、もう少し時間がかかりそうです。秋までには出版されると思います。発売になったら、このブログでも紹介させてください。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。