オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

声に出して言いたいバカの基準

今日は、かなりムカついている宇佐和通です。

 

まあ、聞いてください。昨日の夜、何十年かぶりに、見ず知らずの人から面と向かってバカと言われました。状況を説明しておきます。走りに行って線路沿いの暗い細い道を歩いていて、帽子をかぶり直そうと思って両腕を上げたとき、右腕の肘が後ろから来た自転車の人に当たってしまいました。

 


その人はかなり僕に接近してきていて、かなりのスピードも出ていたので、信じられないくらいのタイミングで”リバース・ウェスタン・ラリアット”みたいな感じで肘が顔に当たってしまいました。「すみませんっ!」って言って顔を見たら、ざっくり80歳手前のおじいさんでした。後々よく考えたら、別に謝る必要もなかったかな。なにせ狭い道路を無灯火で走って来て、勝手に当たってきた感じでしたから。

 

その人はいきなり僕に向かって「バカ!」と言いました。いや、「バカ」じゃなく「ヴァカ」でした。しかも、「ヴァーカ」って伸ばしてました。

 

僕は、キレやすい体質かもしれません。列に並ぶのも、何かを長いこと待つのも嫌いです。ただ、そこで言い合って相手もさらにキレて、たまたま心臓病とかの持病があって興奮して倒れたりしたら困るよな。にらみつけられている2秒くらいの間でそこまで想像が巡ったんです。幸いにして。そこで、その場の雰囲気にもっとも不似合いな返しをしようと思い、「バカっていうほうがバカなんだからなっ!」と行って、全速力のグレープバイン(エアロビクスやったことある人なら知ってるでしょう)で彼の視界から消えました。

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ちょっとすっきりしたので、もう少し走ってから帰ることにしました。そして、思い出したんです。

 

1993年6月、とある機関誌の企画に対し、各地方自治体の福祉事務所の職員であるケースワーカーのみなさんが〝職場あるある川柳〟みたいなノリの作品を寄せたことがあります。企画の目的は「職場以外の場所では話題にできない思いを川柳に託して表ざたにし、成仏させる」ことでした。すでにこの時点でヤバい香りがしますね。応募作品を見て見ましょう。

・救急車自分で呼べよばかやろう
・金がないそれがどうしたここくんな
・親身面本気じゃあたしゃ身が持たねえ
・ケースの死笑い飛ばして後始末

すごいっす。一句詠んで応募するほうも、それをそのまま載せてしまうほうも。機関誌という公的媒体なのに、問題化する可能性を感知できないメンタリティーがどうしても理解できません。ちなみに、「マスコミ関係者の目に触れぬようご注意ください」という一文も添えられていたというから、最低限の危機感はあったのかもしれません。ただ、確実に問題なのは、企画立案から発表方法まで、すべてのプロセスがバカ丸出しだったことです。

 

なぜかこの話を思い出し、家に帰って来てシャワーを浴びたらすっきりしました。キレて反撃しそうになったら、全速力のグレープバインが効くようです。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。