オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

時間は生み出すんじゃなく、取り戻すものなんだ

線状降水帯の発生に、10分おきに外の光景を確認していた宇佐和通です。

 

2015年の話です。武井壮さんが、フランスのリヨンで開催された世界マスターズ陸上の「M40クラス」(40歳~44歳の男性が出場可能)4×100Mリレーで金メダルを獲得しました。しかも、42秒70というタイムでアジア記録を1秒37も更新するという快挙です。僕がインスパイアされたのは、レース後の武井さんのコメントでした。

 

「この2年間、一所懸命仕事をしながら、毎日1時間、700日以上、自分の全力を尽くしてきた。人間の毎日1時間っていうものを少しでも証明できたような気がする」


仕事が終わってから1時間のトレーニングを欠かしたことがない人の言葉には、リアリティも重みも違います。1時間という時間は、意識して作ろうとすると難しい単位に感じられます。その理由は。「犠牲にしなければならないものが必ず出るはずだ」というそこはかとない恐れではないでしょうか? 『私が女優になる日3』というオーディション番組をご存知でしょうか? この間の放送で、小藪千豊さんが出場者からの質問を受け付けるというコーナーを見ました。出場者の一人が「受験とオーディション番組の二刀流の生活で、時間を作るには」的な相談を向けると、小藪さんは「アニメ見たりSNSの時間を削りなさい」といったことをおっしゃっていました。

 

こういうことだと思うんです。たとえば、タレントとフィギュアスケーターの二刀流で活躍している本田望結さんは、友達とごはんに行ったことがないそうです。武井さんのように、トレーニングのために毎日1時間を確保し、それを700日以上続けるというのは想像するよりはるかに難しいに違いないし、行(ぎょう)に近いストイシズムが必要だと思うのです。そこで、考えてみました。僕の生活でどうやったら何かをするための1時間を作れるだろうか?

毎日1時間、意味のあることをするための時間を手に入れたいんです。ぼーっと動画サイトを見たり、ゲームをしたりして費やすのではなく、何かはっきりとした形をしたものにつながることに充てたいんです。


筆者はそもそも間違っているのかもしれません。いや、そうに違いありません。意味ある1時間はそもそも生み出すものではなく、取り戻すものなのでしょう。その相手は、自分の中にいるぐずぐずしてる奴とか決めきれない奴、そしてものごとを引き延ばそうとする奴

にほかならないんです。明日からは、そういう奴らに抗いながら、意味ある1時間を取り戻していこうと思っています。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。