オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

過去を悔やまず、未来を恐れず

先週の月曜日に帰結しているはずの原稿がちょっとした理由で書き直しになり、ちょっと慌てている宇佐和通です。

『Given~いま、ここ、にあるしあわせ~』というドキュメンタリー映画をご存じでしょうか? 主役は三つの家族。共通しているのは、重い病気と闘うお子さんがいること。 両親や兄弟はまず難病という事実を受け容れ、次にそれと闘っていく覚悟を決めます。そして日々を淡々と過ごしていきます。その過程で、僕を含めてごく普通の生活を送っている人たちが忘れがちな、誰にとっても大切なはずのものが浮き彫りにされます。それは、”今”という二度と来ない瞬間です。

 

www.given-imakoko.com

人間が自分の力でかろうじてコントロールできる時間があるとすれば、それは”今”という瞬間しかありません。どんな過去であれなかったことにはできないし、未来を自分の思いどおりにしようと思っても無理です。なのに人間は昔の失敗をいつまでも悔やんだり、まだ何も決まっていない未来を恐れたりすることで”今”の価値を低めてしまいがちです。過去の時間軸における”今”が積み重ねられた結果が現在だし、”今”の行いが未来を創っていきます。『Given~いま、ここ、にあるしあわせ~』は、こうした事実を改めて気づかせてくれるのです。

あの時こうしていたらよかったとか、この先どうなるのだろうかとか、無駄な反省や必要のない不安にさいなまれる瞬間は誰にでも訪れまず、フリーの僕は、つい先のことを思い悩んでしまいます。会社勤めではないので、次の次、いやその次の仕事まで決まっていないと、本当の意味では安心できません。 言いしれぬ不安に襲われた時は、その時点で取りかかっている仕事をとにかくこなすことにしています。だから、実際の締め切りよりもずっと早く終わってしまうことがあります。

 

不安になっている暇があったら、その時できることをやって忙しくすることを心がけています。物理的に忙しくしていれば、先を恐れることに費やしてしまうかもしれない時間の絶対量が減っていくことを経験則的に知っているからです。

よく言われることですが、してする後悔と、しなかったからする後悔があります。僕は、しなかったからする後悔のほうがはるかに大きな気がします。何かをすべき理由。それは、その時の自分をどれだけ信頼できるかによって強くなったり弱くなったりする。もちろん、時間軸の中の〝今この瞬間〟という点を基準にして、の話です。

 

今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次回のアップでお会いしましょう。