オカルト(中心)ライターのスピンオフ原稿

キャリア28年の翻訳家/ライター宇佐和通の日々のあれこれ

ポップでキッチュなレシピ、試してみました

バニラアイスと歌舞伎揚げの組み合わせが好きな宇佐和通です。

 

少し前、『プリンにしょう油でウニってホント?:試してみました ウワサの食べ合わせ』という本が話題になりました。さまざまな食材の組み合わせでまるで違う味を創り出すレシピをフィールドレポート的に紹介する、体を張った感満載の一冊です。超初級レベルのプリン+しょう油=ウニから、変化球的なテイストのヨーグルト+イカの塩辛=キャビア、そして味の類似性・食感・香り・見た目・おいしさという各パラメーターで満点を叩き出した甘納豆+ブランデー=マロングラッセまで、60種類以上のコンビネーションが紹介されています。
 
実は子どもの頃、ロッテのフルーツガムと草加せんべいを一緒に食べるのが好きでした。甘じょっぱくて、ものすごく食感がいい極上羽二重もちのみたらしフレーバーみたいな食べ物になるんです。ただ、ガムを飲み込むと体内に7年間残るという都市伝説を知ってからきっぱりやめました。
 
味を感知して脳に伝える味蕾の感度は人さまざまで、加齢と共に感度に変化が訪れるといわれています。そういえばこの間、金子半之助で天丼にダバダバしょう油をかけておいしそうに食べているおばあさんがいました。
 
人種によって味蕾の絶対数に差があるのも事実らしいです。ざっくり分けると一番多いのが黄色人種(特に日本人)、黒人、そして白人(黄色人種の70%程度)という並びになります。同じ白人種であっても、イタリア人とスペイン人などラテン系民族は味蕾の数が多く、逆にイギリス系アングロサクソン民族はかなり少ないそうです。アメリ国立衛生研究所の論文アーカイブにも、味蕾の絶対数と感度に関する論文がいくつか収められていて、オンラインで調べることができます。
 
ネット上でも変則レシピに関するネタは多く見られます。地上波の番組でも、カップ麺にナタデココとかマーマレードとか、さまざまな食材をちょっと足してありなしを判定する”ちょい足しレシピ”というコーナーが人気の番組もありました。
 
”プリンにしょう油”的な感覚は西洋にもあるのか調べてみると、なかなか面白い組み合わせのレシピが見つかりました。以下の6品をピックアップして実際に試してみました。それぞれ絵面を想像しながらお楽しみください。
 
・ピクルスにフロストシュガー
顆粒状の砂糖をピクルス全体にまぶします。まあ、食べられなくはないというレベル。千枚漬けとかべったら漬けみたいな味。歯ごたえがいまいちなのは、ピクルスのブランドによるものかも。
 
・ミートソースにM&Mひとつかみ
M&Mの量は、手のひらいっぱいくらい。フランスにもチョコレートソースを使った料理はあるけれど、甘味が際立つタイプのチョコレートでも意外に合います。色とりどりのコーティングのパリパリした食感もアクセントになって楽しげ。ありです。
 
・ピーナツバターとマヨネーズのサンドイッチ
ピーナツバターは甘さ控えめのクランチタイプ。マヨネーズのほのかな酸味とあいまって、八丁味噌っぽくなります。見た目を裏切るおいしさ。
 
・マヨネーズとゼリーの層を交互に積み重ねて冷やし固めたやつ
完成品の色どりを考え、ゼリーはいちごとメロン、そしてレモンのフレーバーを使用。パフェグラスに入れるとすごくかわいいんですが、なにせまずいです。食感も最悪レベル。絶対になしですね。
 
・いちごジャム入りグリルド・チーズサンドのトマトスープ浸し
フレンチディップ的な仕上がりを期待していましたが、スープに浸した時点でどうかなという感じ。味は完全にバラバラになると思っていたら、意外な一体感が。ベーコンとパイナップルのピザみたいな、甘味+酸味+塩味の絶妙なバランス。ありかも。
 
・チートスを粉状にして衣にしたフライドチキン
チートスを粉々にしてフライドチキンにまんべんなくまぶし、レンジで4分ほどチンします。これが一番うまかったです。特にビールのあてに最適。オンザライスも試してみましたが、食感も含めてごはんとの相性も抜群。中高生のお弁当にもぴったり。
 
”プリンにしょう油”的感覚は、これからの新時代の味のトレンドの指標となる可能性を秘めていたのです。偉大なるオーソドックスが、意外すぎるキワモノから生まれることだってあるかもしれません。
 
今日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。次のアップでお会いしましょう。